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ビール、その特色と選び方

ビールについて何の関心も持たないでビールを飲んでいる人は、自分の食べているパンについてもとりたてて関心を持っていません。

ご婦人にいたってはなおさら無関心ときています。

プ・アビという貴婦人は古代メソポタミアの宴会で純金のストローでビールを飲んだといいます。

このストローはアメリカのフィラデルフィアにあるペンシルベニア大学の博物館で見ることができます。

ビールは気分を爽快にさせる飲料であり疲れをほぐす鎮痛剤のようなもの。

しかし何かそれ以上に喜びを与えてくれます。

人は1度味わった快感を同じように味わおうとするから、同じビールに忠誠を誓うのです。

しかしグラス1杯のビールにすべてを求めるなんて大それたこと。

時々によって、場所によって、そして気分によって飲みたいビールは変わっていくはずです。

「ビール選びの楽しみ」をもっともっと知った方がいいでしょう。

ビールの優劣というものを一概につけるのは難しいことです。

まして、ピルスナーはスタウトよりもおいしいという考え方は、シャルドネがシェリーより優れているとか、リンゴがオレンジよりも高級だと言い張ることに意味がないことと同じです。

ビールの種類

AbbeyBeer(アビイ・ビール)

修道院ビールと訳されますが、修道院ビールの長い歴史を誇るベルギーで一般の醸造人がつくるフルーティな強いエールをいいます。

モデルになっているのはトラピスト修道院のビールです。

Ale(エール)

上面発酵法でつくったイギリスの伝統的なビール。

色、強さはさまざまです。

ビター、ブラウン、ペール、マイルド、オールドなど。

Altl(アルト)

ドイツ語で古いを表しています。

古いタイプのビールのことで銅色ですっきりした味のドイツのエール。

デュッセルドルフに関連が深いです。

社交用で、においのきついチーズやあらびきソーセージとともに食前酒に向いています。

適温は10℃。

BarleyWine(=大麦ワイン)

非常に強いエールのことです。

食後に室温のものを飲み、また寝酒として読書しながら一服するのがよく合います。

ビールの種類 その2

Beer(=ビール)

主に製麦した穀物を発酵させた酒のこと。

ホップで香味づけしたものをいいます。

ラガー、エール、スタウトなどすべてビール。

アメリカ人はビールというとラガーしか連想しないし、イギリス人はエールしか思いつかないです。

BerlinerWeisse(ベルリナー・ヴァイセ)

酸味が強くさわやかで、軽快なベルリンでつくられる小麦ビール。

アルコール分は低いです。

エレガントな夏の飲み物としてシャンペングラスでサーブされ、ラズベリー・シロップの香りがします。

適温は若干冷やす程度の7~10℃。

BieredeGarde(ビエール・ド・ガルド)

フランスの特に西部でつくられ、広義にはエールに属します。

アルコール分は中~高。

フルーティでチーズによく合います。

適温は天然地下室の温度。

Bitter(ビター)

イギリス・スタイルのドライ・エールで、しばしば樽からサーブされます。

社交用ビール。

理想的には広口のパインドグラスでパブで飲むのがいいですね。

適温は12~13℃。

ビールの種類 その3

Bock(ボック)

地域により冬~春、または秋に、体をあたためるビールとして飲まれる強いラガー。

色はさまざまです。

9℃以上で飲まれるのがふつうで、陶器のジョッキで飲むのがいいですよ。

ソーセージとよく合います。

BrownAle(ブラウン・エール)

イギリスでは甘さの異なる2つの種類があります。

ともにデザートやナッツと合います。

ベルギーのアルデナールデという町には甘く酸味の効いたものがあります。

これは食前酒として飲まれることが多いです。

適温13℃。

CreamAle(クリーム・エール)

非常にマイルドで甘く金色の、アメリカでつくられているエール。

社交用ビール。

適温7~10℃。

DarkBeer(ダーク・ビール)

普通ミュンヘン・タイプの濃色ビールをいいます。

DiatPils(ダイエット・ピルス)

ダイエットのためではなく、糖尿病患者のためにつくられたビール。

糖分は発酵してほとんどなくなっていますが、その産物としてアルコールはあります。(そのアルコールはカロリーが高い。)

この工法により非常に強くドライなビールとなります。

これはどのビールにも適用できますが、最も知られているのはピルスナー・タイプでしょう。

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ビールの種類 その4

Doppelbock(ドッペルボック)

ダブルボックのこと。

非常に強くコクのあるラガーです。

とりわけバイエルン地方と関係があります。

冬の終わりに体をあたためるビールとして飲まれます。

適温は10℃。

Dort(ドルト)

ドルトムンダーのエキスポート・ビールを略したもの。

オランダやベルギーで使われている語です。

Dortmunder(ドルトムンダー)

ドルトムント地方でつくられる淡色ビールの総称。

輸出ビールとして活躍したため、「エキスポート」と呼ぶようになったそうです。

Dunkel(ドゥンケル)

ダークに当たるドイツ語で、"濃い"ということ。

Export(エキスポート)

ドイツではミュンヘン・タイプよりドライでピルスナーほどホップが強くなく、両タイプよりわずかに強い淡色ラガーのことをいいます。

サラダや魚または鳥肉料理に合います。

適温8~9℃。

この語はただ単に"プレミアム"を表しています。

Faro(ファロ)

ベルギーのランビックの甘いものをいいます。

昼下がり、または夕暮れ時の1杯におすすめ。

天然地下室の温度が適温です。

Framboise/Frambozen(フランボアーズ)

ラズベリーでつくったランビックビール。

来客を歓迎する時に出すエレガントなお酒です。

少し冷やしてシャンパンフルートと呼ばれる細身のグラスで飲みます。

ビールの種類 その5

Gueuze(グーズ)

ランビックビールをブレンドしたもの。

よく発泡し、ワインのようで、キレがよく、ダイオウの香りがすることもあります。

この祖国ベルギーでは細身のタンブラーで天然地下室の温度のものをサーブします。

日曜のランチ、または黒ソーセージとの食前酒にいいでしょう。

Hefe(ヘーフェ)

ドイツ語で酵母を示す接頭語。

酵母の"オリ"のあるビールを指します。

Hell/Helles(ヘレス)

"Pale"(淡色)のドイツ語。

lmperial("Russian")Stout(インペリアル(ロシアン)スタウト)

強く味わいのあるスタウトで、フルーティな"焦がした黒スグリ"の香りがします。

冬休みのお祭りのビールとして、または寝酒として飲まれます。

室温が最適。

Kolschl(ケルシュ)

デリケートで、ドライで軽快な果実香のする金色のエール。

ドイツのケルンでつくられています。

食前酒、もしくは整腸剤としていいでしょう。

ケルンでは牛のタルタル風ソーセージとともに飲まれています。

8~9℃が適温。

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ビールの種類 その6

Kriek(クリーク)

チェリーからつくられたランビックビールで(、アーモンド香のあるドライなビール。

エレガントなおもてなし用ビール、または食前酒です。

少し冷やして飲むとおいしいです。

Lager(ラガー)

いくつかの国ではラガーという語は、最も基本的なビールに対してのみ使われています。

一般的にはすべての下面発酵ビールがラガーです。

Lambic(ランビック)

ベルギーの自然発酵ビール。

味からは、シャルドネ(ワイン)、マンズワインまたはベルモットを思わせます。

天然地下室の温度でチーズやラディッシュ、黒パンに合います。

LightAle(ライト・エール)

イギリスで瓶詰めされたビター・ビールのこと。

スコットランドでは低エキスのダーク・エールのことです。

ローカロリーのビールという意味ではありません。

社交用ビール。

LightBeerl(ライト・ビール)

アメリカのローカロリー・ビールで、ピルスナー・スタイルを水っぽくしたものと解釈されています。

リフレッシュさせるビールとして、7℃で飲まれます。

Maibock(メイボック)

春の訪れを祝ってつくられるボック・ビール。

ふつう淡色でスーパープレミアム的な品質であす。

MaltLiquor(モルト・リカー)

アメリカで強いラガーのことをいいます。

アメリカのものはたいてい安価でつくるため、糖の使用比率が高いです。

麦芽(モルト)を多く使ったとか、リカーのことをいっているのではありません。

すぐに酔うように飲まれることもあります。

7℃が適温。

ビールの正しい評価の仕方

バーやパブでグラスにつがれたビールをジーっと見つめたり、おおげさに香りをかいだりしたら笑われてしまいそうです。

しかしこの態度を笑えないのは、ビールの正しい評価の仕方のレッスンはここから始まるからです。

すべての食品、飲料は口ばかりでなく目や鼻でも楽しむことができ、ビールも決して例外ではないのです。

グラスに注がれたビールは見た目にも美しいですよね。

ビールの泡の厚さときめ細かさは常にビール評価の目玉となりますが、ビールについてとかく何かしらコメントしたがるドイツ人はこの泡を「ビューティフル・フラワー」と呼びます。

その「花」が十分に美しければすぐにしぼむことはないのです。

またビールを飲む間、一口ごとに醸造人が「ブリュッセルのレース」と呼ぶ泡の跡が残ればそのビールの泡はきめ細かく、「炭酸の強い刺激」はないということで、このビールは新鮮で自然な醸造でできているという証です。

しかしイギリスの質の高いビター・エールのように泡のたたないビールもあります。

たしかにその点が難しいところで、それぞれのビールにはそれぞれ特徴があり、一つのスタイルともう一つのスタイルとの差はとても大きいのです。

それぞれビールは醸造人により他と異なるスタイルを持つようにつくられていて、そのビールの持つスタイルに応じてのみ評価できるのです。

それぞれの個性

どのスタイルも独自の色調を持っていますし、さらに他と際立たせるような微妙な特徴をあげるためには複雑な美しさもが考慮されてきます。

明るく澄んだ金色のピルスナーはとりわけおいしそうに思われますが、濁った黒色のスタウトもおいしそう・・・。

どちらにしても数種の麦芽の配合を変えることで異なった色調のビールができるのです。

EBC(ヨーロッパ醸造協定)によってこの色度計基準があるスケールで表されるようになりました。

たとえばピルスナーをつくる醸造所は6~8EBCユニットの色を用い、ポーターをつくる所では80かそれ以上のEBCユニットの色を用います。

ただどんな数字によって、そのビールが土の色や紅葉色や赤褐色になるのか、あるいはマホガニーの優美な色になるのかは教えてくれませんが。

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香りも楽しもう

色と同じように、清澄さや芳香もビールにとって非常に重要な要素です。

特に香りは快く食欲をそそるためのものですが、ピルスナーにおいて香りとは花の香り、ハーブ香、ホップ香などをいいます。

バイエルンのスタイルでは麦芽香が強く、小麦ビールやエールは果実香がしますよね。

どんなスタイルのビールも味や色や香りなどの要素の集まりでできています。

グラスを持ち上げるたびに香りや味の新しい発見があります。

香味をつくる要素はホップと麦芽と果実の関係にあります。

そのためホップ香(快い芳香、ハーブ香、苦さ)、麦芽香(甘さ、ドライ感、スパイシー、コーヒー風味、焦げ臭)、果実香(強いけれどデリケートな酸味、リンゴ風味、バナナ風味)などのような特徴が出てきます。

ラガービールの醸造ではリンゴ風味やバナナ風味がつかないように気を配りますが、ビールによってはこの風味が特徴となることもあります。

どんなスタイルもそれぞれの要素がバランスよく保たれているものです。

ホップ香の強いビールはただ単にひどく苦いだけではないし、麦芽香のするビ!ルはただ甘くべタついて
いるわけではありません。

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